琉球の織り(4)


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植物で染められた絹糸


八重山諸島に自生する植物
福木、紅露(クール・サルトリイバラ)、車輪梅、椎、ヤマモモ、琉球藍、琉球青木、ヒルギ、などで草木染めされます。
豊な自然の恵みの中から、このような素晴らしい色が出てきます。



丁寧に手紡ぎされた糸が植物の恵みを受けて染められ、絣括りなどの多くの工程を経て手織された貴重品。
本当に美しいと思いました。




これは沖縄本島に伝わるロートン(道屯)織りです。
昭和の目利きと言われた、白洲正子さんもお好みで、
以前町田市にある白洲さんの「武相荘」を訪れた時にも、ご愛用の着物として展示されていました。

ロートン織りは首里織り七種
首里花倉織、首里花織、ロートン織、首里絣、花織手巾(ていさーじー)、煮綛(にーがしー)、芭蕉布、首里みんさー
の中に入り、中国伝来の紋織りの技法で織られています。





琉球王朝の都、首里は15世紀始めより政治文化の中心として栄え
中国東南アジアの影響を受けながら、その中で染織文化も発達しました。
その後の時代の変遷の中で消えかけた伝統も熱心な方達の手により見事に甦りました。

上原美智子さんの“あけずば織り”という、薄い薄い絹の織物は国立近代美術館に収蔵されています。
あけずばというのは琉球の古語で蜻蛉の羽と言う意味です。
この作品もまた、6,4デニールという細くとも強い糸を紡ぐ事の出来る方がいてこそ・・・
上原さんも
“出来てきた布は、私が創作したものではないような気がします。神からの賜りもの、
素材と染めと機(はた)と自分との共同作業だと・・・”
どの方も同じ想いをお持ちのようです。

皆様も機会がおありでしたら是非、この南の美しい“布”と自然に逢いにいらして下さい。

2002年・石垣島みんさー工芸館にて

参孝文献
澤地久枝・琉球布紀行
平凡社・太陽 染めと織りのある暮らし


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