秋の句


  
運動会 Vサインして 孫走る

   晩学を はげめとちちろ 鳴きにけり

   古希すぎて いのち尊し 菊まくら

   ほろ酔いの 子の帰り来る 良夜かな

   いづこにも 老人多し 秋まつり

  
  
朝市の 高山なまり 桃うまし

   金沢の 宿の桔梗の 濃かりけり

   菊膾 長寿の香り ありにけり

   み仏の 顔をかすめて 秋の蝶

   吹かれ行く 銀杏黄葉の 鳥となれ


  
秋冷の 足の先より 来る夜かな

   北国の まこと果てなき 花野かな

   秋灯や 辞書にうべなふ 点一つ

   晩秋の 酔ひたき一夜 ありにけり

   鶺鴒の いつか一羽と なりいたり


  
終点の 駅に夜霧の 濃かりけり

   草むらに つまべに咲ける 小島かな

   星月夜 鄙に住む身の 冥利とも

   コスモスや 終の日までも つつましく



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