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寝静もる 夜を灯して 賀状書く 長生きを せよとて届く 羽根ぶとん 虎落笛 おいと呼ばれて 五十年 冬そうび 余生と云ふを 諾はず 句作にも 修羅のありけり 寒昴 風邪らしき のどの痛みは 子に云わず |
豊漁の河口にふゆる 冬かもめ 鮟鱇の 肝のうまさを 知りにけり 流木に 千鳥のあそぶ 河口かな 父母の墓 訪ひてやすけき 小春かな 狐火や あたたかかりし 母の背 売店を 閉づる岬の 暮早し |
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朝市の 訛りごと買う 赤かぶら 神様も 鬼も縁者や 里神楽 青木の実 箒目あらく 立ちにけり 冬晴の 渋谷の人に 揉まれけり 寒牡丹 熟女の風情 ありにけり 一葉忌 わが手になじむ 筆二本 |
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