夏の句 2


  夢路の碑 かこみて海桐 咲くばかり

  露伴忌の 障子に塵の なかりけり

  抽斗の きしみて梅雨の 深きかな

  梅雨深し 病院内の 目安箱

  太宰忌の 荒梅雨となる 気配して

  虹の橋 消へてしまいし 夢いくつ

  
  
噴水に 男の子のピアス 光りけり

   塾の子を 迎ふる門の 月涼し

   斑猫や 昔師の影 ふまざりし

   草引きて 八十路の疲れ 知りにけり

   身ほとりの 句に徹しをり 街酷暑


  蓮開く 音のありなし 論じをり

  朝もやに 嘉祥の蓮 開きけり

  傘寿てふ あせりも少し 沙羅の花

  しみひとつ ふやして夏の 深きかな 

  虹の橋 幼は渡る 夢を持ち



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